雑誌ダ・ヴィンチの巻頭を飾る「アラーキーの裸ノ顔」に、山内総一郎氏が登場しています。
アラーキーこと荒木経惟は、もう17年以上も、壮年の男のポートレートを撮り続けていて、今年の3月、写真集「男 アラーキーの裸ノ顔」を出版しています。北野武や王貞治のポートレートが有名でしょうか。
気持ちとしてはリアリズムじゃなくて、リリシズムなんだよ、俺は。凛々しく撮ってさしあげたい。やっぱりさ、男には磁気がないと。色気、男気、人気、ま、何でもいいんだけど、磁気っていうのは、つまり惹きつける力のことだよ。背景を無地、白にするとその時点でどれだけその男がストーリーを持っているか、全部出るからね。(ダ・ヴィンチNEWS)
ピントのあった写真は、オートフォーカスさえ使えば誰でも簡単に撮れるけど、相手から表情を引き出したポートレートは、優れた写真家でないと撮ることができない。アラーキーの写真は、どれも、その人ならではの表情が魅力的です。
もともとアラーキーという写真家が大好きな私は、武道館以降、憑き物が落ちたように明るい顔でギターを弾き、唄う山内総一郎氏を彼がどんなふうに撮るのか、とても楽しみにしていました。
そして、ダ・ヴィンチの発売日である今日。まあ、たまたま、偶然なんですけど、書店前で10分ほど、開店前から待ってる有様。もちろんこんなことは、人生初です・・・・。
実際に見たその写真は、期待にたがわず、いや、期待以上に、私をワクワクさせるものでした。
一言でいうと、頑固な顔ですよね、これは。
笑顔が印象的な人なのです。一時期は、目の下にクマをつくって、ファンを心配させていたけれど、最近は、すっかりそのクマもとれて、なんだか目も大きくなっちゃって(謎)、「可愛い」「キラキラしてる」と言われることが多い人なのです。柔らかな品のいい関西弁を話し、ライブでは天然ぶりを発揮しつつも誠実にファンに語りかけ、音楽に触れていないときは「ぼんやりした人」(自己評)なのです。
ただ、この人は、自分の作る音楽には強い主張とこだわりがあるんだろうなあと思っていました。人が何と言おうと、音楽に対してだけは、譲れない想いと芯の強さがあるんだろうなと感じていました。
この写真には、山内総一郎氏のそういった面が、よく表れている気がします。
だからすごく男っぽい。
実にいい写真です。
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