彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

荒木経惟が山内総一郎氏を撮るそうです

アラーキーは、人を脱がすのが上手い。相手が女でも、男でも。

だから、彼の写真の中で人は、他では見せない表情を見せる。

 

 写真家として、沢山の側面がある人である。妻を撮り、街を撮り、街の女たちを撮り、裸を撮り、猫を撮り、空を撮り、花を撮り、最近は男の顔を撮っている。

 

妻である陽子さんとの共同著作も多い。

  

東京日和 (ポプラ文庫)

東京日和 (ポプラ文庫)

 

 

東京は、秋

東京は、秋

 

 

アラーキーが好きなった切っ掛けは、陽子さんのポートレートである。強い目をしたカッコいい女の人の写真だな、と思った。それが陽子さんの遺影にも使われた一枚であったことを知ったのは後のことだ。

 

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ふたりの「愛情旅行」から遺影を選ぶことにした。幸せだった夏、京都にバルテュス展を見に行った前の日に泊まった神戸のポートピアホテルで撮った写真を選んだ。<いつも私はホテルの部屋に入るとすぐセックスしたくなる。ベッドにおしたおし下だけ脱がし強姦する。シャワーを2人で浴びる。ディナーに行くおしゃれしたヨーコを窓明かりで1枚撮る>その時の写真である。これは妻の写真ではなく、愛人の写真である。ヨーコは旅行すると、妻でなく愛人になった。それも、不埒な愛人に。そんなヨーコが好きだった。このポートレイトは、私の人生のベストワンの写真になるにちがいない。(荒木経惟『荒木経惟写真全集 3巻 陽子』172 頁)

 

 

何を撮っても、濡れたようなエロティシズムが漂う。生々しいのである。子供を撮ってさえこれである。

 

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 そんなアラーキーが、フジファブリックの山内総一郎氏を撮るという。

 

 

これが冷静でいられようか(私的に)。

山内総一郎氏は多分写真が苦手なんでしょう。いつも真顔でダブルピース。時に表情筋が死んでいたりもする。そんな山総を、アラーキーはどう料理したのか?

 

2013年に、既にアラーキーは右目を失明している。残された時間はそう多くはないはずで、今このタイミングで撮ってもらえるというのはラッキーなことだと思う。

 

楽しみです。