フジファブリックが、会員制モバイルサイトであるFAB CHANNELの1周年を記念して、アコースティックライブ「FABRIC THEATER」を開催することを発表しました。
11月16日はFAB CHANNELの会員限定、11月17日は一般も発売もあり、両日は異なるセットリストで開催されるとのことなのですが、FAB CHANNELでは、この「FABRIC THEATER」で演奏して欲しい曲のリクエストも募集されています(但し、1会員につき1曲のみ)。なんと、フジファブリック以外の曲からのリクエストもOKだそうです。
血が滾ります。
私は、山内総一郎氏に、叶わぬ想いに身を焦がせてほしい(正確にはそういう曲を歌って欲しい)という悲願があるのです。ミニアルバム「BOYS」の収録曲も、確かに失恋を歌ってはいるのですが、なんかちょっと違うんです。単なる失恋ではなく、悲恋のテイストが欲しいのですよ。
今回はそれを実現するためのチャンス、という観点から、リクエスト曲を考えてみました。
スキマスイッチ「藍」
シングルカットされていない曲ながら、ファンの人気投票で2位につけたこともある名曲(ちなみに1位は「奏」)。アルバム「夕風ブレンド」(名盤!)に収録されています。
恋愛の成功率はね 散々でね いつだって成就しないまま
とはいえ好きになっちゃうんじゃ もう嫌になるよ
どうかいなくなれ こんなんなら存在自体よ消えちまえ
そう思ってどのくらい経つだろう
来週はいつ会えるんだろう
想う相手はいるものの、恋人関係ではないようです。苦しさから、「いっそ目にしたくない、存在自体消えて欲しい」なんて思いながら、他方で「来週はいつ会えるんだろう」と願ってしまう。相反する心の動きに翻弄されている様子が伺えます。
最大の問題点はね 現状じゃね どうしようもない関係だね
そのうえ会いたくなるんじゃ もう嫌になるよ
どいうかいなくなれ こんなんなら存在自体よ消えちまえ
そう思ってどのくらい経つだろう
いったい僕らはどこへ向かうんだろう
「どうしようもない関係」。進むことも引くこともできない位置にいるようであり、でも「僕ら」と言っていることから、二人の間には何らかの意思疎通はあるようです。
私の妄想設定では、この歌の主人公は、「兄嫁を好きになってしまった弟」です。昼ドラみたいですみません。もちろんプラトニックです。実際にあったら気持ち悪い話ですが、これくらい高いハードルじゃないと、「どうしようもない関係」とは言えないと思うのです。「親友の彼女」くらいじゃダメ。全然ダメ。
私の妄想力をすごく刺激する曲であり、アコースティックも似合う曲だと思うので、ぜひ、山内総一郎氏に歌って欲しい曲のひとつであります。
スピッツ「渚」
スピッツのヒット曲の一つ。スピッツの曲の中では、「冷たい頬」と並んで大好きな曲ですが、今回は、山内総一郎氏の声に似合いそう、という観点からこちらを選びました。
草野正宗氏の詞は、一筋縄ではいかないのですが、私はこの曲を、「プライドの高い男子が妄想の中では両想いだけど実際は片思い、それをうすうす気付いてるけど夢よ醒めないでああ~」というストーリーと読みました。
ささやく冗談でいつも つながりを信じていた
砂漠が遠く見えそうな時も
ぼやけた六等星だけど 思い込みの恋に落ちた
初めてプライドの柵を越えて
「ささやく冗談で」とあることから、冗談くらいは交わす友人関係。モテそうな彼女、ぼやけた六等星の僕。きっと無理だ、なら最初から恋なんてしないほうがいい、そのほうが傷つかない。でも、そんなプライドの柵を超えてしまう青少年のリビドー。
柔らかい日々が波の音に染まる 幻よ 醒めないで
ねじ曲げた思い出も捨てられず生きてきた
ギリギリ妄想だけで 君と
なんか病んでる香りがしますね。ストーカーチックですね。でも、恋愛、というか恋、にはそういう側面はあると思うんですよ、どうしても。
幻だとわかっているけど、もう少しだけこの夢に浸っていたい。そんな想いが切ないです。「藍」が関係性における身もだえ感を表現しているとしたら、「渚」は、恋にありがちな自意識との戦いをよく表現していると思うのです。
明るく美しい調べとちょっと病んでる歌詞。そういうの、結構、山内総一郎氏の声質に合ってると思いますがどうでしょうか?
岡村靖幸「友人のふり」
リアリティがありすぎて泣ける、男子の失恋曲。上の2曲と違って、山内総一郎氏が歌っているところは想像ができないのですが(というか靖幸以外が歌っているところが想像できない)、山総が歌ったらはたして何色になるんだろう?という期待も込めて(私的リクエスト候補曲に)ランクインしました。
もうどうしようもない程あいつに 抱きしめられてたいだなんて
あんなに辛かったじゃん 忘れなさい だから Oh・・・・
ねえ本当の気持ち解かんないけど 困るよ急に泣き出しちゃうのは
でもいつでも僕 君の味方さ ほら Oh・・・
どうやら、他の男を想って泣く女子を慰めているようです。想いのベクトルは、靖幸>A子>B男、みたいな。
全員が友達関係のようなんですよね。大学のサークル内恋愛ってところでしょうか。
あんまりもてなかった方だし 臆病で正直じゃないから
あいつの代わりになれやしないけど Oh・・・
正直ですね。「あんまりもてなかった方だし」。全然もてなかったわけじゃない。でも、「あいつ」ほどではない。「あいつ」=B男は、靖幸から見てもカッコいい男のようです。
言わないで帰るって 友人のふりなんて 御座成りだもん
傷ついてもかまわない Oh Why? Woo Oh, No
だって知ってるんだよ こんなんじゃどうしようもない
慰めてたのに、A子に「帰る」と言われてしまったようです。なぜか。歌詞にははっきり描かれませんが、靖幸がA子に告白をし、それを受け入れられないA子が帰ると言ったと想像できます。「隙があるなら話したい 僕にしなよと話したい♪」(フジファブリック「シャリ―」)みたいな軽い感じじゃないんです。「臆病」な僕が「傷ついてもかまわない」って言ってるのに、A子は帰ってしまう・・・・。ありがちな関係のありがちなシーンなのですが、情景が迫ってくるようで胸をつかれます。
なお、忘れてはいけない、この曲を普通の歌にしていないフレーズはこちら。
岩場のデッキチェアーで 君のリボンに見とれてたら
僕の指を噛んだのは 何故? Oh Why? Oh No
でも絶対にきっと答えてくれやしない
指を噛む・・・・・?
曲聞いてる方も「Oh Why?」です。「岩場のデッキチェアー」という言葉から、二人は海にいるんだとか夏なのかなとか思い浮かぶのですが、「指を噛む」というシチュエーションが今一つわからない。リボンも正直わからない。いまどきリボンってあんまりつけないですよね。帽子なのかな?
でもそれが靖幸の歌。「指を噛むってわかんないよね~」と思いつつ、そんなの「君が 好きだよ 心に住んでる修学旅行が育つんだ♪」(岡村靖幸「ラブタンバリン」)に比べれば単純明解!
なお、「友人のふり」の歌詞について考察しているtogether まとめがありました。面白いです。
あんなこんなで妄想が続いて、なかなかリクエスト曲を絞り込めませんが、募集を締め切られる前に何とか決めたいと思います。