インディーズ時代のセカンドアルバムである「アラモード」に収録された曲。作詞作曲志村正彦。金澤ダイスケと加藤慎一は既に加入しているが、山内総一郎とはまだ出会っていない。
- アーティスト: フジファブリック,志村正彦
- 出版社/メーカー: Song-CRUX/ルーフトップ
- 発売日: 2003/06/21
- メディア: CD
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この曲については、MVも作成されている。かなりおかしなMVだけど、ヘンな色気があって、初めて見たときは、にっかつロマンポルノ(見たことないけど)みたいだと思った。
夕暮れの路面電車 人気はないのに
座らないで外見てた
暇つぶしに駅前の花屋さんの娘にちょっと恋をした
路面電車の中から眺めただけの娘である。一瞬のことと思うだろう。
しかし。
どこに行きましょうか?と僕を見る
その瞳が眩しくて
そのうち消えてしまった そのあの娘は
野に咲く花の様
妄想が始まるのである。
話しかけてくるのは彼女のほう。
しかし、娘の影は一瞬で消えてしまう。
これでは足りないと歌い手は思う。
その娘の名前を菫(すみれ)と名付けました
なんと、名前を付けるのである。
もちろん、妄想はそれに留まらない。
妄想が更に膨らんで 二人でちょっと
公園に行ってみたんです
かくれんぼ 通せんぼ ブランコに乗ったり
追いかけっこしたりして
このあたり、歌い手の原風景なのか、その後もよく出てくるモチーフである。「通せんぼ」とか「追いかけっこ」とか、いい年した人間がすることではないが、なんだかイケナイコトのような気がしてくるのは何故なのか。
どこに行きましょうか?と僕を見る
その瞳が眩しくて
再び彼女は問うが、歌い手は自分からはやはり切り出すことができない。
もちろん歌い手はストーカーではない。しかし、車窓から見ただけの娘に名前を付けた上、彼女に「どこに行きましょうか」と死ぬほど問われたいのである。一歩間違えれば完全にあっち側である。しかもそれを、疾走感溢れる鍵盤のリズムにあわせて歌い上げるのである。
なんでこんなことを歌にするのか。でもすごくいい曲なのだ。
ロックってなんだっけ。あ、若い男の行き場のないリビドーの発露でしたっけ。だったら正解か。
フジファブリックの初期の傑作。