2016年6月11日に京都のライブハウス「磔磔」で行われた、浜崎貴司弾き語りツアー”LIFE WORKS LIVE ~Since 2011/終わりなきひとり旅”sono109 誕生日スペシャル ゲスト山内総一郎、に参戦してきました。
2015年夏の高野山以来、3回目となる浜崎貴司さんとのセッション。今回は、浜崎貴司さんの51歳の誕生日記念ライブでのコラボです。そして場所は京都。これは行くしかないでしょ!ということで、いろいろなことを放り出して新幹線に乗りました。
ことりっぷ京都編
品川駅から新幹線に乗り、早速、お弁当を頂きます。今回は、「春日彩膳」という、奈良の春日大社とコラボ(?)してるお弁当を選んだのですが、美味でした。仕事関係ない新幹線は、実に胸躍ります。こうやって、じわじわと、迫りくるライブへの期待値が高まるのを味わいます。
京都駅に到着したら、コインロッカーに荷物を預けて、「磔磔」までぶらぶら歩いていくことにしました。京都は大好きなので、もう何度も遊びに来ていますが、下京区のあたりはノーマークでした。
外国人向けなのか、英語の看板を掲げた町屋ふうの旅館があったりして、なんてことはないけれど洛外から来た人間には趣があるように感じられる街並みを楽しみました。途中、「渉成園」(真宗大谷派の本山の飛地境内地)という綺麗なお庭のある場所に立ち寄りました。
しばし瞑想。
晴れていて気持ちよく、仕事や雑事に追われる日々を一時忘れる贅沢な時間・・・・・。こうやって、じわじわと迫りくるライブへの期待値が高まるのを味わいます。ちなみに、芝生でぼーっとしてたらエラいこと蚊に食われました。
かゆいので出発して、またぶらぶらと「磔磔」を目指します。ちなみに、「たくたく」と呼びます。「はりつけはりつけ」ではありません。
途中、素敵なカフェらしきものがあったので、思い切って入ってみたらカフェでした。調子に乗って、チーズケーキと白ワインを頂きました。
至福・・・・・。こうやって、じわじわと(以下略)。
気がついたら開場時間が迫っていたので、微妙に慌てて「磔磔」へ向かいました。駐車場の奥に建物があるのですが、もうかなりの人が集まっていました。
浜崎さん誕生日編
「磔磔」は、酒蔵を改造したライブハウスです。ウェブサイトに「見取り図」が載っているのですが、ステージは24平米しかありません。客席もそんなに広くなく、だからつまり、客席からステージが近いのです!
今回は、幸運が重なり、整理番号がよかったので、最前列で演奏を楽しむことができました。ジーザスありがとう!
ステージは、前三列が椅子席、その後ろがスタンディングです。楽屋は二階にあり、演者は後方の階段を下りて客席を通り、ステージに来る仕様になっています。つまり花道っぽいのです。「プロレスっぽいよね」と浜崎さんが言っていましたがその通りです。
開演時間になって客電が落ち、歓声が上がりました。浜崎さんが下りてきたのです。
「浜ちゃーん!」と掛け声が飛びます。浜崎さんはこの日も、帽子に変わったTシャツという出で立ちでした。そして相変わらず目の下が濃い。
浜崎さん:「こんにちは、舛添要一です。」
客席:笑
浜崎さん:「こんにちは、ファンキー加藤です。」
客席:笑
浜崎さん:「べッキーです。」
客席:笑
浜崎さん:「いつまで続ければいいのコレ・・・・」
じゃかじゃーん、とギターが鳴って、いつものように、ドスの効いた浜崎節。この人の声は本当に腹の底から出てるって感じがします。イタリアのカンツォーネみたい、って思う瞬間もあります。4曲ほどソロで歌ったのですが、中では、「サンクチュアリ(SEIなるふたり)」という曲が印象に残りました。
お願いこっち振り向いて
ほら そんなにはずかしがらないで
目と目合わせて髪触らせて
洗いたての匂い嗅がせて
ミルクの雫 淫らに甘く 内緒で口に含んだら
アナタシンデレラ 不埒しながら
ガラスの靴を履きこなす
夜の12時じゃまだ真っ最中で そそくさ家には帰れない
(サンクチュアリ(SEIなるふたり))
結構早口で歌うんですけど、色っぽくて良かったです。浜崎さんてロマンチックな人なんだな、と思いました。コワモテに見えるけど、ロマンチックで優しい人なんだろうな。
そしていよいよ、山内総一郎氏の登場です。
「総ちゃーん!」と浜崎氏が呼ぶと、少し照れくさそうに、でもいつもの笑顔で、山内総一郎氏が現れました。今日は黒のジャケットに黒のズボン、インナーは茶色いシャツです。スモッグの時代は終わったようです。よかった。
浜崎さん:「京都出身のバンドの曲をやろうということで・・・・りるくをやります!」(なぜか、浜崎さんはさかさ言葉にはまっていました)。
ということで、セッション一曲目は、くるりの「ワールズエンド・スーパーノヴァ」。
いつだって僕らは 誰にも邪魔されず
本当のあなたを 本当の言葉を
知りたいんです 迷ってるふりして
僕は風になる すぐに歩き出せる
次の街ならもう名前を失った
僕らのことも忘れたふりして
いやもう、かっこよすぎるでしょう!
きっしーは天才だな・・・・こういう曲を歌う総君もいいな。さわやかな声でちょっと鬱めの曲を歌って欲しい!と強く思いました。
山総:「僕は出身が大阪なんで、京都もよく来てました。あの・・・・その・・・・四条とか?」
客席:(笑)
山総:「普通ですよね、四条とかって(笑)。はい、普通です。僕はおばあちゃん子だったんで、おばあちゃんに預けられて、よく京都に来ていたんですよ。保津川を下って、湯豆腐を食べるっていうごく普通のコースで。僕、弟が産まれて、めっちゃ嫉妬したらしくて、弟の指をずっと噛んでたらしいんですよ。なんか、めちゃめちゃいじめたらしくて。全然覚えてないんですけど。大変だってことで、おばあちゃんによく預けられたみたいです。このこと聞いたの、去年なんですけどね。」
弟のことは小さな頃からすごく可愛がってたぜエピソードしか聞いたことなかったんですけど、こんな実態もあったとは!
近い年の差だとよくあるらしいですが、嫉妬深い総一郎に胸キュンした女子もいたのではないでしょうか。興味深い話ですね。あと、おばあちゃんに預けられた総一郎君が就学前の児童だとしたら、保津川を下って湯豆腐というコースは少し渋いのではないですかね。
浜崎さん:「女の子の曲もやります。aikoです。しむかぶと!」
山総:「しむかぶと(笑)」
浜崎さん:「業界的には、しむかぶと」
山総:「業界的にそうなんですか?」
二人で、aikoの「かぶとむし」を綺麗に歌い上げていました。女性の歌も歌える総一郎。でも個人的には、山総の場合は、男性の歌のほうがぐっときますね。
ここから、山総のソロ、ということで「ブルー」と「虹」を披露。
「ブルー」では、ぐっと重力が山総に集中するような、不思議な空間が生まれました。きっと、その場にいる全員が、食い入るように山総を見て、聴いているからでしょう。山総も、目をつぶって、完全に自分の世界に入っています。その前の2曲とは、曲への入り込み方が全然違ってて、山総の曲への心の重ね合わせ方を垣間見た気がしました。
私が、山総の「ブルー」の弾き語りを初めて聞いたのは、ラジオでした。あの頃は、しゃべるの苦手だから歌うほうがいいですなんて言ってたのに、今はすっかり剣がとれて、自由すぎるくらいに弾き語りをしています。
二曲目の「虹」では、その自由さがまた爆発していました。「もう空が持ち上がる」のところでは、全員が手をあげ、山総は「プログレのジャケットみたい!」(どっかでもこれ言ってましたね)と喜んでいました。
そして、アウトロはいつものように、神業的な速弾き。足ドラムをする浜崎さんににじり寄っていきます。少しのけぞる浜崎さん。山総のこめかみから汗が流れ落ちていました。エネルギーがギターに注がれているのが、物理的に見えるようでした。
浜崎さん:「次は、フジファブリックの「若者のすべて」。名曲なので、心してやります。」
去年は高野山のステージでやった「若者のすべて」。浜崎さんが大事に歌ってくれているのが伝わってきました。
ここで山総はいったん退場。なんかさみしい。
浜崎さん:「総ちゃんとは、歳ははなれてるんですけど、なんか普通につきあえる。魅力が、あるんでしょうね。・・・・・・顔かな?(笑)」
年上にも年下にも好かれる山総。
浜崎さんは、山総が入場したときも「俺も総ちゃんみたいな顔にうまれたかったなー」と言っていたし、山総の顔に気に入っているのかな。気に入っているのですよね。私は気に入っていますよ!
そこから、浜崎さんの曲をまた数曲やりました。「幸せであるように」が聴けたのは嬉しかったな。
(続く)