彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

詩人としての志村正彦

12月24日は、フジファブリックというバンドをつくり、ギターボーカルだった志村正彦さんの命日です。

 

 こういうとき、「志村正彦」というべきか、「志村君」というべきか、「志村」というべきか悩みます。

ちなみに普段、心の中では「しむしむ」と呼ぶことが一番多いです。同級だったらそう呼んでいたかな・・・という気がして。女子の友達と、「しむしむ、またあんなこと言ってたよ!」「やっぱり変人(笑)。かっこいいけど」とか噂してそうです。

 

12月24日は、クリスマスという楽しめなイベントの日なのですが、たいていのフジファブリックファンにとっては、この日は心の中で静かに志村君を想うことが多い日でもあります。

 

そういうわけで、私も志村君の絵を描いてみました。

 

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志村君は大きくて印象的な目をしているんですが、写真では少し細めて、眩しそうにこちらを見ているものも多いんです。これはそんな一枚をベースに描きました。

 

今、友人の子供(5歳と7歳の女の子)の写真をフォトアルバムにする作業をしています。ノスタルジックで、少しせつない写真が多いんですが、余白に文字を入れようと思った時、志村君の詩が浮かびました。

志村君の詩って、遊びの幅が広いというか、一部だけ切り出しても物語になるんだって実感しました。

 

例えば、妹のほうの彼女(5歳)が理不尽に癇癪を起して、上野公園で仁王立ちしてる写真があるんですが(すごくかわいい)、「例えて言えば君はマリア?それとも何か?アマゾネス?」って詩をつけたりね。この曲、歌詞全体だと、ちょっと色っぽくて変態ぽくて、5歳の女児にはふさわしくないのですが、「それとも何か?アマゾネス?」っていうフレーズがあまりにぴったりすぎて、思わず写真にはその言葉を添えてしまいました。ちなみに、彼女は、父親には「荒ぶる魂」と呼ばれています。

 

マリアとアマゾネス

マリアとアマゾネス

 

 

私がベストショットだな、と思う写真には「赤木色の金木犀」の冒頭の歌詞を添えました。

 

もしも過ぎ去りしあなたに

全て伝えられるのならば

それは叶えられないとしても

心の中 準備をしていた

 

「赤木色の金木犀」 作詞作曲:志村正彦

 

少女時代はあっという間に過ぎ去ってしまい、そのうち振り返ることしかできなくなってしまう。「あの時君はこうだったね」と、いつの日か君に伝えたいと思っていることも、きっと全部を伝えることはできないだろう。

 

みたいな。

 

ちょっと上手く言葉にできないけど、そんな大人側の感傷を託してみました。

 

総君、ダイちゃん、加藤さんの歌詞でも何かないかなーって相当考えたんですが、なかなか5歳と7歳にぴったりの歌詞が見つけられませんでした。そういう意味では、志村君の歌詞はやっぱり特別で、言葉の端々までがほんとうに詩なんだな、と思いました。

 

志村正彦全詩集