彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

岡村靖幸は「幸福」を追い続ける

岡村靖幸が、ついに、ついに、11年半ぶりにニューアルバム「幸福」をリリースしました。

 

幸福 完全受注生産限定デラックスエディション

 

できるだけ純情でいたい

新時代思想

ラブメッセージ

揺れるお年頃

愛はおしゃれじゃない

ヘアー

ビバナミダ

彼氏になって優しくなって

ぶーしゃかLOOP

 

新曲は「できるだけ純情でいたい」「新時代思想」「揺れるお年頃」の3曲だけ。

す、すくない。正直これは、物足りない。物足りないけど、鳴らされる音のクオリティーの高さに、「むうう」という感じ。

だって、平凡な女が平凡に暮らすこの部屋が、靖幸の曲をかけた途端、問答無用に最先端のクラブみたいになってしまうんですよ。

 

Baby 今いい時代でしょう?

絡まってる心に勝つには 新時代思想

明らかに定まってる? 君しだいでしょう

いつの時代も必要なのは 新時代思想

(「新時代思想」)

 

相変わらずの靖幸節。意味わかんないけど、頭に残る。

ハイ、今いい時代です。

 

夢の途中でも 手繰って 手繰って

靄のかかった森を抜け 今晩も

触れる肌雫 さすって さすって

欲しいはずなんだよあなたは どう?×3

(「揺れるお年頃」)

 

そうです欲しいんです。

なんでわかったの?

 

 

フジファブリックのアルバムは、聴くたびに「こうきたか!」という驚きがあります。靖幸の曲の場合には、そういった驚きは私は感じないんだけど、誰よりも濃い、30年もののおでんの汁みたいな変わらなさを中心に置きながら、いつも時代の半歩先にバージョンアップして、常に新しい、新しすぎる音を届けてくれる岡村靖幸はやっぱり音楽の天才なのかなと思ってしまいます。

 

靖幸は、とても足元の不安定な天才です。

最近、ごく短い時間だけネットにアップされたASKAのブログと言われている文章を読んでとっても鬱な気分になった私としては、靖幸のことが心配でしょうがないです。たぶんそんなファンはすごく多い事でしょう。その危うさ、アンバランスさは彼の本質の一部なのかもしれないけど、平均台の上を無事に渡り切って、もっともっと音楽を続けて欲しいのよ。

 

靖幸が求めてやまない「幸福」。

たぶんずっと手に入れられない「幸福」。

でも靖幸の音楽を聴いてるとき、私達は、また違う色の「幸福」を確実に抱きしめています。

ありがとう。

これからもっといっぱい聴きます。