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彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

たとえそれが恋でも、恋じゃなくても

フジファブリック 山内総一郎

フジファブリックの会員制モバイル専用サイトFAB CHANNELで、過去のツアー連動企画のアーカイヴが見れるようになりました。

 

ふんふんと、いろいろとチェックしてみると・・・・

 

やっぱり、山内総一郎氏の別人28号ぶりに目がいってしまいます。

「LIFE」ツアーの「メンバーセレクトご当地お土産プレゼント」の写真(11月4日熊本とか)は、顔つきが今とは全然違うし(ちなみにこのシリーズでも、加藤さんの顔の安定感はすごい)、同じく「LIFE」ツアーの動画も、昨日のエントリーでアップしたBowlineの動画とまったく違います。同じ声で、同じ仕草でも、まとう雰囲気がこんなにも異なるとは。

 

私は、彼の作る音楽を通じてしか彼の事を知りませんが、「俺が歌う」と宣言した日から武道館の成功に至るまでに、彼が潜り抜けてきたトンネルの深さに想いを馳せずにはいられません。転換期となった「LIFE」のジャケットが地面から顔を出しているモグラの写真であることは、単純な偶然の一致以上のものを想起させます。

  

LIFE

 

先月に行われたWILD BUNCHで山内総一郎氏は、ユニコーンの「すばらしい日々」をカバーしました。

 

すばらしい日々だ 力あふれ すべてを捨てて僕は生きてる

君は僕を忘れるから その頃はすぐに君に会いに行ける

 

「TEENAGER」に収録された「記念写真」(作詞志村正彦、作曲山内総一郎)の下記のフレーズは、この曲に対するオマージュなんでしょうね。

 

記念の写真 撮って 僕らは さよなら

忘れられたなら その時はまた会える

手紙に添えられた 写真見たりするんだろな

染められた君を見たのなら 何を思う?

 

消えてしまう前に 心に詰め込んだ

 

記念写真

記念写真

 

忘れるとわかっているから、写真を撮る。それは失われることが予定されている記憶の代わり。途中で一度捨てなければ進むこともできないし、忘れなければまた出会うこともできないのです。

 

その後、山内総一郎氏は、「透明」でこんな風に歌いました。

 

写真を撮っておきたい また会えなくなるでしょう

とびっきりの笑顔で 僕らだけの言葉で

 

奥田民生氏や志村が、ちょっとひねった言葉で表していたものをひっくり返すと、確かにこのような意味なのです。普通です。ただ、「透明」の歌詞全体の中でのこのフレーズの位置づけを考えると、「写真」て何のことなのかな、と思います。

 

そして、山内総一郎氏は、サウンドはともかく歌詞を聴くと思わず心配になってしまいそうな「Mystery Tour」と「バタアシParty Night」を経て、「Surrender」では次のように歌います。

 

捨て去っていくのは悲しいが

心はそこから解き放たれて行くのさ

  

Surrender

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山内総一郎氏は、おそらくこのあたりから、歌詞を先に書く「詞先(しせん)」のやり方に切り替えたと思われます。「LIFE」と「Surrender」で少しふっきった感のある山内総一郎氏は、アルバム「LIFE」では、ほとんどの曲を作詞作曲し、メンバーを自宅に呼んで、ともにアルバムを創り上げました。

 

毎回その場しのぎでなんとなく 過ごしてきたから

僕はどうやっても君らしく生きることができない

(Gum)

 

歩き始めた日々の中

バス亭のルールにいまいち疎いんです

イヤフォンの中で流れてくる

『ありのままの君』まだわからないんです

(robologue)

 

『たとえ気まずくなってしまっても

また作り直せばいいはずさ

何も始まっていないからね』

もう一人の僕が言い聞かせる

(ブルー) 

 

さなぎには触れるなよ もうすぐ羽ばたく時が来て

殻の中もがいてる心を大きく解き放つでしょう

(卒業) 

 

モヤモヤと思い悩んでいる山内総一郎氏の姿が、いたるところから立ち上がってきます。でも、こうして自分自身をぶちまけた曲を作り、武道館で過去の曲とともに歌い切り、それを観客に確かに受け止められたと実感したことで、彼は、もう一度新しく生まれた(リバース)のでしょう。

 

一本前ももう出たから

ここらでそろそろ行かなくちゃ

ポケットの中

もらったものを握りしめている

(はじまりのうた)

 

はじまりのうた

はじまりのうた

 

 

「STAR」で「君の声はこだましてる 頭の中離れないよ 巡る思いは置いといて さあ行きますか」と歌った場所に、「はじまりのうた」でまた戻ってきました。でも、一周廻って戻ってきたときのメンバーの顔つきは、やっぱりすごく、違うものになっていたのですね(加藤さんは、見た目変わらないけど)。

 

こうして振り返ってみると、物凄い変遷があるので、顔つきくらい変わるのは当然かーとも思えてきます。そして、そうしたストーリーの文脈も含めて、私はフジファブリックというバンドと、山内総一郎氏という人物に、興味関心が尽きないのです。

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たとえこの思いが、恋でも、恋じゃなくても、情熱であることに違いはないかな。

 

 

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