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彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

「Surrender」 アルバム「LIFE」へと続く道

シングル「LIFE」のカップリング曲。作詞作曲山内総一郎。「LIFE」と方向性は違うけど、同じくらい力強い音。

 

Surrender

Surrender

 

 

 アルバム「LIFE」を聴きこんだ後に振り返ると、この曲がシングル「LIFE」のカップリング曲だということがとても感慨深い。シングル「LIFE」を創ったら収まりきらなくてアルバム「LIFE」に発展していったというようなことを山総氏は述べていますが、サウンド面でも、歌詞の面でも、この曲はまさに「FAB STEP」から「LIFE」へと続く道を示しています。

 

サウンドについて的確に語る素養がないながらも、それでもがんばって語ってみると、まず、音が生っぽい。あまり加工せず、余計なものをそぎ落としている印象。「LIFE」はアナログでレコーディングしたというけど、この曲はどうなんだろう?

 

山総氏の歌い方も、土台になっているサウンドの傾向が似ているからか、「efil」とか「WIRED」と同じ系列に聴こえます。つまり、重心が下がっていてかつ渇いた感じがする。他方、途中に挟まれる「捨て去って行くのは悲しいが 心はそこから解き放たれていくのさ」のところは、詞の内容も含め、「卒業」を連想させます。

 

さて、歌詞は。

 

コートを叩いた雨の雫パラパラ

落としていた二人の肩に弾けた 

 

文字面だけだと男女をテーマにしているようにも見えるけど、実際に聴いてみると、サウンドともあいまって、かなりハードボイルドな始まり。

 

公園の隅でふざけすぎたあの日を

どこか遠くに忘れてきたみたいと

そう呟いた君の目は大人びて

思いもよらず息が詰まりそう

 

文字面だけだと依然として男女を歌っているようにも見えるけど、サウンド的にはますますハードボイルドです。甘い雰囲気は欠片もない。

 

トキメキ足りない

それがすべての問題

Up And Down Up And Down

ただ

Up And Down Up And Down

繰り返すだけ不甲斐のない自分に業を煮やす

 

どうやら自分に腹をたてているようですが、Mystery Tourよりはちょっと前進している雰囲気があります。

 

通せんぼ通せんぼ たわいもない言葉で

切り出すタイミングをずらしている事を

大目に見てよ ぐるり回り道でも

豪雨はさけて このまま飛び出そう

 

文字面だけだと相変わらず(略)ですが、これ、山総氏の、自分の中のもう一人の自分との対話だと捉えると、サウンドや、その後の「LIFE」へと続く展開とかなりしっくりきます。

 

ボーカルとして歌い初めて4(?)年、自分自身の内面を掘り下げて掘り下げて、やっとたどり着いたもう一人の自分。幼いころの無気力児童、サッカーを切っ掛けに色づいた世界を駆けるハイテンション少年、ある程度の社交性を身に着けたギター青年、そんな山総氏の中に何層にも重なっている自分自身の更に奥にいるもう一人の自分と、これまで面と向かうタイミングをずらしてきたけど、いよいよ対話する時が来たのではないのか。そのための胎動を感じて、苛立っているのではないのか。

 

溶け出す情熱

それがすべての現実

Up And Down Up And Down

ただ

Up And Down Up And Down

繰り返してる意気地のない自分の情を燃やせ

 

きっと、ステージの真ん中で歌うことがなければ、こんな風に「意気地のない自分」の「情」を燃やしたいとまで思うことはなかったはず。そんな風に解釈すると、なんだかしっくりくるのです。

 

ま、実際は男女関係を歌っていますというオチもあるのかもしれないけど(笑)。