彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

遠距離恋愛が始まる COVID19とライブ

フジファブリックとも、エレファントカシマシとも、宮本浩次とも、しばらくの間、おそらくは年単位で遠距離恋愛をせざるを得ない。ライブの再開は当面ない。

今、私はそう思っています。

 

COVID19が猛威を振るう中で、ライブが再開するとしたらそれはどんな条件なのか、自分なりに考えてみたいと、思っていました。

昨日の夜までは・・・・。

 

でも、それは難しいことなんだろうなと、今、私は思っています。

現在の日本の世間に漂うゆるーい雰囲気からして、今後感染が拡大し、より厳しいイベント禁止を含む措置(例えば、店舗の閉鎖や都市封鎖)が行われる可能性はとても高いと思うに至ったからです。ライブ再開どころではないです。

 

金曜日の夜、専門家委員会の記者会見が開催されました。

 

youtu.be

 

とっても興味深く拝聴しましたし、北海道大学の西浦教授の発言には、率直にいって感動しました。

 

日本は、先進国のどことも異なり、厳しい社会的介入をまだ行っていません。日本だけが異常です。

そのような状況で、大規模イベントの開催可否についてどのような提言を行うかについては、専門家会議でも意見が分かれたようです。

それについて、専門家会議の委員の一人である北海道大学の西浦教授はこう答えています。

 

この感染症は、ひとたび大規模な流行が起こると、目を覆いたくなるような被害規模になることが予測されます。一定の規模で医療機関があふれてしまうことような状態ができかねない。

一方で、ここ最近、3月上旬に入ってからの実効再生産数は1を割っています。

中国でも知られてきたことなのですが、この感染症は、いわゆるSocial Distancingといって、社会的隔離をすることで、一定の制御ができることが、どうも確からしいということを感じる結果でした。

どういうことかというと、例えば、大規模なメガクラスターが発生することを避けるために、大規模イベントを自粛をしたり、皆さんができるだけ閉鎖空間で接触することを避けたりとか、減らせれる接触を減らす努力を、皆さんしてきてくださったと思うんです。それには皆さんいろんな影響があって、科学者の端くれとして大変ご不便をおかけしたことをお詫びしたいと思うんですけども、その影響で、感染者数に減少があるかもしれない、こういう対策をすると、減少するかもしれないということが、少しだけ希望の光として見えたかもしれないと思っています。

今後、市民の皆さんに、考えてもらいたいんですね。

今、減らせれる、大規模イベントを辞めておく。今、減らせれる接触を、皆で協力して減らすということをすることで、それが流行は長期間持続しますので、長期間続けれるような持続可能なものを見つけながら、社会経済活動を最低限維持できるだけものもを皆で見つけると、もしかしたら切り抜けられるかもしれないです。

今ここで、一気に堰を切って、接触をするのかどうか、一度皆さんに考えてもらいたい、そういう機会があるといいなというのは、個人的な意見ですけども、思っています。

今このままの状態で、せっかくの希望の光が見えたところなんですけども、欧州とアメリカと東南アジアで流行が拡大していますから、そこから、感染者は、これまでの中国と比べ物にならないレベルで日本にやってきます。

これだけはどうしても止めることができませんので、このまま丸腰で受けると大規模流行が起こります。

なので、あまり残されている時間はないのですけども。

皆さんで、一度、こっから、社会経済活動をもとに戻すかどうかは、一度みな向き合って考えてもらいたいなと。

憂慮すべき状態です。

それをもとに考えてもらいたいなと思います。

 

西浦教授の発言からは、最前線で戦っている人の必死な想いが伝わってきました。

日本が、いかに奇跡的なバランスの中に居るかということも・・・・。

 

このまま普通に進めば、世界の他の国のような大規模流行が起こることはほぼ確実な状態で、「自粛」に基づくゆるやかな社会的隔離で、経済と感染防止のバランスを取ろうとするのが日本の戦略だったと思います。

でも、そんな性善説と同調圧力に依存した、いわば村社会的な方法は、難しいことが明らかとなりました。

この3連休において、聖火リレーの復興の火を見に5万2000人が集まり、さいたまスーパーアリーナでのK1を観るために9000人が集まりました。K1を観戦しに来た人は埼玉近郊の人だけではないだろうと思われますので、9000人の中に1人でも感染者がいれば(いる可能性は極めて高いと思いますが)、濃厚接触により感染した人たちは全国にウイルスを持ち帰ります。

COVID19が特徴とする感染者の指数関数的増加は、暴走機関車みたいなもので、一度レールに乗ってしまったら避けられないというのが、中国、イタリア、スペイン、アメリカでまさに実証されようとしていることからすれば、この3連休の日本津々浦々の活動によってCOVID19の感染が拡大し、2週間後にその影響が明らかとなり、感染拡大防止のためにより厳しい措置がとられる可能性は高まったと思います。

大規模イベントを行わず、これによる特定事業者の損害を補償しつつ、経済活動を維持してワクチンができるまでをしのぐ、という方法を関係者が模索する中で、これが採用できなさそうなことが、とても、とても残念です。

 

ちきしょー最後に言わせて。

 

フジファブリックも宮本浩次も断腸の思いでライブを延期してるんだよ?

全く規模は小さいのに。

正直ものがバカをみるようなこと、あっていいはずないのでは。

 

そして同時に、日本の音楽エンターテインメント事業者が、社会に対して果たした責任ある行動に、深い尊敬と感謝の念を表したいと思います。