彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

ウイルスと共存する生活でのライブの再開可能性を考えてみる

COVID19が相当やばいやつであることがわかってきた中で、ライブハウスでのライブは、どのような条件が整えば、安心して再開できるようになるのでしょうか。

ライブハウスでのライブを愛する一人のファンとして、つらつら考えています。

 

では、前回のエントリーの続きから・・・・

 

 

 

「医療崩壊」ってどういうこと?

各国政府が、入国禁止とか外出禁止とかイベント禁止とか、いろいろ対策を打ち出しているCOVID19は、「症状がない人でも感染力がある」「社会の側に免疫がない」ことが季節性のインフルエンザなどと異なる大きな特徴であることがわかりました。

 

でも、だからってそんなに大騒ぎすることなの?と思うむきもあるかもしれません。死亡率が高い疾患は他にもあるので、ここはひとつ、COVID19に皆でかかって集団免疫を獲得すればいいじゃないかという意見もありそうです。

 

しかし、COVID19の場合、社会における感染のスピードが速く、爆発的増加をもたらしやすいという特徴があります。それゆえに、感染スピードをコントロールできず、指数関数的な感染の増加が医療キャパを超える可能性が高いのです。

そうすると、本来であれば病院で治療を受けられる人も治療を受けられなくなり、社会不安が増大します。脳卒中とか糖尿とか癌とか交通事故とか、COVID19以外にも治療が必要な病気やケガはあるわけで、病院が機能しなくなると、そういったものまで影響を受けることになってしまうのですね。

 

マスクの買い占めが起こったことからもわかりますが、健康を脅かされることは、容易に人を不安にします。医療が崩壊した時、その地域の社会がパニックになることは避けがたく、各国が厳しい対応を迫られるのも無理のないことといえます。

 

日本が採用しているクラスター対策とライブの関係

そんな状況で、日本政府は、COVID19感染防止のために、「クラスター対策」を基本戦略としています。

 

「感染の流行を早期に終息させるためには、クラスター(集団)が次のクラスター(集団)を生み出すことを防止することが極めて重要であり、徹底した対策を講じていくべきである。また、こうした感染拡大防止策により、患者の増加のスピードを可能な限り抑制することは、今後の国内での流行を抑える上で、重要な意味を持つ。」

 

2020年2月 25 日新型コロナウイルス感染症対策本部決定「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/kihonhousin.pdf

 

私なりの理解では、これは、

 

国民全員に2週間の完全外出禁止令を出すのは(やりたいけど)出来なさそうだし、国民全員を即時に検査して感染者を割り出してその人たちだけ隔離することも(キャパ的に)出来ないので、次善の策として、クラスターを丁寧に追跡してしつこく潰していきます!

 

という方針です。

クラスターは、以下の状況で発生しやすいことがわかっています。

 

1  換気の悪い閉鎖空間であった

2  多くの人が密集していた

3  近距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われた

 

ライブハウスは、残念ながらこの条件がすべて当てはまります。ライブハウスの換気の仕組みは正直よくわかりませんが、防音を優先するため、大体は窓のない構造になっていますよね。また、みんなが声をあげたり、汗をかいたりするのも、いままでのライブではよくありました。

 

クラスターになる条件が非常に高い、それがライブハウスでのライブなのです。そのために、感染対策にあたっては、真っ先に自粛を求められてしまいました。

 

どんな条件がそろえばライブは再開できるのか

では、どのような条件がそろえば、ライブハウスでのライブを安心して再開することができるのでしょうか。

 

ワクチンは年内にはまだできないだろうと言われており、集団免疫が獲得されるのも、社会的隔離の程度にもよりますが、相当な時間がかかります。少なくとも、数ヵ月という単位でないことは明らかです。

 

前回のエントリーで指摘したとおり、現在、75の国・地域が日本からの入国・入域を制限しており、また85の国・地域が、入国後の隔離などの制限を行っています。このような動きは、今後ますます加速するでしょう。

そうすると、経済活動の回復のためには、日本が感染対策を十分に行い、感染のおそれがない地域であると、海外からも認めてもらうことが必要です。

 

となると、5月頃にクラスター対策が上手くいって「ちょっと感染が下火になってきましたね。流行が現状、抑えられていますね」ぐらいの状況で、「スタッフ及び観客がうがい、手洗いを徹底すれば、ライブハウスでのライブ再開もオッケー」という社会的環境になるかというと、ちょっとかなり難しいのではないかな・・・というのが私の予想です。いつまた流行が再開するかはわからず、またうがい・手洗いだけでは感染を完全に防ぐことはできないからです。

 

でもでもライブに行きたい!

音楽を生で感じたい!

 

そこで、私なりに、本当に個人的に、考えてみました。

こんな条件がそろえば、ライブを再開してもいいんじゃないですかね?という未来予想図を。

 

暇だね、とか言わないで。

真剣なんだよ!

 

(つづく)