彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

フジファブリック15th anniversary SPECIAL LIVE at 大阪城ホール”IN MY TOWN”その3

その日のステージは、ドラムのほかはサポートメンバーはなく、長い花道やストリングス、さらには空中浮遊といった仕掛けもなく、ある意味シンプルな、それでいて力強い、つまりはとてもフジファブリックらしいものだった。

 

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はじまる

大阪城ホール”IN MY TOWN”のステージは、フジファブリックのいつもの陣形で、ただしセンターには短い花道というか、前方に出っ張った部分があった。スクリーンは、左右にひとつづつと、中央に周りをライトで縁取った円形のものがひとつ、掲げられていた。

 

下記のサイトでも、ステージの写真を見ることができる。

spice.eplus.jp

 

なお、死ぬほど可愛いバックステージのメンバーのオフショットが見たい人は、モバイル専用会員サイトFAB CHANNELに加入するしかない。 

 

私は、FAB CHANNELの先行でプレミアムシートが当たり、前から5列目の上手側、つまり上手側スクリーンが非常よく見える席にいた。

後ろを振り返ると、満席の大阪城ホールがあり、これからメンバーがこの光景を目にするのかと思うと感慨深かった。

 

そして、いよいよ、17時から5分押しで、SEが止み、客電が落ちた。

ライブが始まる直前のこの瞬間が好きだ。

スクリーンに何か映し出される。

山内総一郎が「大阪城ホールでやりたい」と、少し気恥ずかしそうに、でもはっきりと語っている。次の場面では、大阪城ホール公演が発表されている。これはフジフレンドパークだな。そうそう、ツイッター開始も公表されたんだよね。ああ、始球式もやったな、と目まぐるしいテンポで、大阪城ホールまでの道程が目の前を流れていく。

 

今日はこんな雰囲気でいくから思い切り楽しもう、と宣言された気がした。

 

画面では、メンバーが舞台袖で掛け声をかけている。階段を駆け上がり・・・・そう、これはライブ中継だ。袖から、真っ赤な衣装に身を包んだメンバーが登場した。

 

一曲目

一曲目は、「若者のすべて」だった。

今年、いろいろなメディアに出て演奏した、フジファブリックの代表曲といってもいい曲。

意表を突かれた。

そこで、大切に歌い繋いできたこの曲を冒頭にもってきた意味を私なりにしみじみと考えていた・・・のだけれど、後にプチ祝賀会で明かされたところによれば、これは今日のライブが夕方5時に開始されたことにちなんだものだという。

 

ーーーープチ祝賀会にて

(FM802の「Midnight Garage」で放送!)

 

土井ちゃん:どこかで今日、絶対に演奏されるであろうとはみんな絶対思ってわかっていた「若者のすべて」ですよ。まさか一曲目にあれがくるとは思ってなくて。もう「不意打ち」ってこのためにある言葉やなって思うぐらいやったんですけど。

 

山総:確かに。リリースはもう10年以上前ですけど、今年の夏いろいろ出させていただいて、ラジオでテレビでも沢山流してもらったり演奏させてもらったりして、あの曲がすごくひろがったな、と思うんです。それをこう、例えば考え方としては最後のほうにしてとかあるとは思うんですけど、フジファブリックがデビューして15周年のアニバーサリー。スタート5時ですよ!(ドヤ顔)

 

土井ちゃん:うん。・・・・・あっ!そっか!

 

会場:ああ~(なるほど、というざわめき)

 

ダイちゃん:今気づいたの!あれ・・・ちょっと待って。

 

山総:伝わってない?・・・なにちょっと、あれ、『一発かましてやろうと思ってやってんねんかな』って思ってんでしょ!ちがうよ!

5時!

曲!

内容!

 

ダイちゃん:(会場に向かって)大丈夫?

 

多くのファンが気づいてなかったことに、メンバーは軽くショックを受けている風だった。申し訳ない・・・・。

 

manamisinging.hatenablog.com

 

はじまりのうた

二曲目は、「はじまりのうた」

しみじみしたムードから一転、明るい曲調の始まりに金テープが飛び、一気にテンションが上がる。

これは、フジファブリック10周年のLive at 日本武道館で、メンバーからファンに「みんなに対するラブソング」としてプレゼントされた曲だ。配信限定リリースで、ツアーでもあまり演奏されることがないけれど、私はこの曲がとても好きで、「フジファブリック 好きな曲」という身もふたもない名前のプレイリストにもしっかり入れている。

 

manamisinging.hatenablog.com

 

君の声が届く愛しき日々

この世界の隅で素敵なランデブー

君を待つ未来を願ってるから

ただそれに応えたいだけなのさ

 

「はじまりのうた」作詞・山内総一郎/作曲・山内総一郎、金澤ダイスケ

 

いろんな意味で過去に一応のケリをつけた日本武道館ライブから今日ここまで、フジファブリックが歩いてきた道は確かにあの日から始まっていたことを感じさせる、まるで預言書のような歌。

 

Green Bird

三曲目は、「Green Bird」

このテンポで全曲解説する系かと心配しているそこのあなた、そんなことはない。ここまでは特別扱いだ。それくらい、この3曲は私にとって気に入りの曲であり、それが連続で畳みかけるように展開されてゆくこのライブに、私の集中力もどんどん高まっていった。

 

低音と高音の差が激しく、歌うのが難しい曲だ。

でもこの日は、山内総一郎の声はのびやかにどこまでも広がり、金澤ダイスケのコーラスと美しく響きあっていた。

 

疾走感のあるドラムも、鮮やかなストリングスも、切迫感のある歌唱も、どれも素晴らしい。

ずっと、ずっと聴いていたい。

 

 

manamisinging.hatenablog.com

 

聞き惚れて居たら、ペンライトの明かりをグリーンにするのを忘れていた。

それだけが、心残りである。

 

(まだまだつづく。)