彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

【レポ3】フジファブリックアコースティックライブ「FABRIC THEATER」二日目に行ってきました

ライブの記憶は儚い。指の間からするする抜けて、「素晴らしかった」ということは思い出せても、カタチの前奏がどんなふうにアレンジされていたかもう思い出すことができなくて悔しいです。

さて、フジファブリックアコースティックライブ「FABRIC THEATER」レポその3です。

 リクエストコーナーが終わって一曲目は、シングル「SUPER!!」のカップリング曲「夜の中へ」。

軽快なスカのサウンドが、アコースィックと良く合います。ちょっとジャズっぽい雰囲気もあり、自由な感じなピアノが曲に力を与えています。

「キノウ」といい、加藤さんの曲は、CD音源で聴くより、ライブで聴くほうがぐっと魅力が増す不思議。

 

そしてその次に、「カバーコーナーは終わったんですけど、どうしてもやりたい曲があるので、やります」という山総のコメントに続いて始まったのは、SMAPの「ダイナマイト」。そしてなんとしょっぱなのパートは加藤さん!!!

 

痛いくらいのキスをして せつないくらいに濡れた声

さっきまでの君から想像できなくて

胸に隠せない情熱 脱ぎさったときにはじける

恥ずかしがらなくてもいい愛しておくれ WOW

 

(「ダイナマイト」作詞:森浩美 作曲:小森田実) 

 

ちょっと、ちょっとちょっと奥さん!

加藤さんがなんか、エロいんですけど。

ボーカルとしては、やはり年季を積んでいる山総のほうが上手いのですが、加藤さんの声にはなんだか生々しさがあって、歌詞とよくマッチしていて、とても色気を感じました。加藤さん、おそろしいポテンシャルです。やっぱりあれですかね、私生活で泣かせた女性の数の違いなのでしょうか。または女心の理解度の違い。

 

山総は、去年の山口での夏フェス、WILD BUNCH 2015にソロで出たときに、「ダイナマイト」を弾き語りしています。そのときのレポに、私はこんな風に書いていました。

 

総君が歌うと、声質もあってなんか爽やかなんですが、これ、歌いこんでいけばぜったい、Surrenderみたいな妙な色気がでてくるはず。なので、あと100回くらい、聴かせて欲しいと思いました。

 

manamisinging.hatenablog.com

 

山総が100回歌う前に加藤さんが1回歌って色気を出してしまいました。そんなこと、2015年には全く予想していなかった・・・。

 

また、今、このタイミングで、こんな風にSMAPの曲をカバーする山総がとても「らしい」とも思いました。純粋に「いい曲~」と思って去年からこの曲をカバーしていた山総なので、歌い手であるSMAPに対しても、なにがしかの想いがあるんじゃないか?って思うんですよ。推測ですけれども。「ダイナマイト」は、加藤さん、山総、ダイちゃんの3名が全員、ソロパートを歌ってて、そのあたりもSMAPへのリスペクトをとても感じました。

ダイちゃんもとてもいい声でした。王道、って感じの声質。ダイちゃんも加藤さんも、もっとバンバン歌ってしまえ!と思います。進化するフジファブリック。

 

本編ラストの一曲は、「バタアシPary Night」。予想外の選曲でしたが、これもアコースティックアレンジが素敵でした。もうなんでもアースティックに出来ちゃうってことなんでしょうか。それがどれくらい難しいことなのかよくわからないのですが、とにかく、椅子に座ってるのが苦痛なくらい、踊りたくてたまらなくなる素敵なダンスナンバーでした。

 

さて、アンコールに入り、第一曲目は「アソパソマソ」ならぬ、「Cheese Burger」。

京都の礫礫でやった浜崎貴司弾き語りツアー誕生日スペシャルでも、山総はソロでやっていましたね。

 

manamisinging.hatenablog.com

 

「志村君との最強のコラボ曲」って言ってたなあ。

そこはかとなく、優しい気持ちになれる曲です。そして、山総の優しい声質が生かされる曲。

 

そして、「SUPER!!」。 

SUPER!!(初回生産限定盤)(DVD付)

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 山総:「発売されたばかりの曲を、普通にやるまえにアコースティックアレンジでやるのもどうかって感じなんですけども」

確かにそうかも(笑)。

とはいえ、まだ原曲を聴きこんでいないせいか、なんの違和感も感じずに楽しめました。

 

ラストを飾る一曲は、「透明」。 

透明

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  • アーティスト: フジファブリック
  • 出版社/メーカー: Sony Music Associated Records Inc.
  • 発売日: 2014/04/01
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ピンスポットの中で、静かに山総が歌います。

この曲を聴きたかった、という人は多いのではないでしょうか。私もその一人でした。

 

日がまた昇って行く 人気の無い空へと

忘れた事忘れて ゆっくり歩き出した

 

大きな地図たたんで くだらない話をして

ゆるやかな坂を抜け 海の見える丘を行く

 

(「透明」作詞作曲:山内総一郎)

 

志村が繰り返し歌っていた情景に共通項があるように、山総が繰り返し歌っている風景にも、共通項があります。

その人が抱える根源的な色合いや物語といったものは、作品に通底するものであり、変わらないのかもしれません。

  

★★★

 

こうして、私にとって夢のようなステージが終わりました。

フジファブリックのライブは、行くたびに、両手に抱えきれないくらいの「幸せ」をもらえます。本を読んだり、映画を見たりしても幸せな気持ちになることはあるんですが、脳みそではなく、身体の芯から揺さぶられるのは、音楽ならではのことだと思います。

 

世界平和も実現できるんじゃないかと錯覚するほどの幸せ空間。

実際、全くの錯覚なわけですが(「世界は残酷なんだから」by ミカサ)、表情筋が痛くなるほどの笑顔をくれるステージがなかったら、生き抜けないですこんなコンクリートジャングル。

来年の「STAND!!」ツアーが、今から楽しみです。