エヴァンゲリオンの監督として有名な庵野秀明が脚本/総監督、樋口真嗣が監督/特技監督の話題作「シン・ゴジラ」を観てきました。
最初は、「いやいや庵野カントク、それよりエヴァンゲリオンの続きを完成させて下さいよ」と思っていたのですが、思った以上に評価が高いようなので、ついつい観に行ってしまいました。同じようなエヴァファンは結構いると思うのですが、映画館で観る価値のある映画でした。
まず、ネタバレに至らない程度の感想としては、ゴジラファン、特撮ファンは言わずもがなですが、
- 長谷川博己が好きな人は見に行くべし。堪能できます。
- 高橋一生が好きな人も見に行くべし。可愛いです。
- エヴァ待ち切れないよ!っていう人も見ていいと思う。これエヴァだから。
- 東京が壊れるところ見たいという人も(東京在住なら特に)見るべし。私達の住むあの街が、あのビルが、あの駅が、あの列車が蹂躙されるところが見れます。
- 電車が好きな人、自衛隊が好きな人も見ていいと思う。
逆に、「海猿」とかが好きなひとは物足りないかもしれない。
では、ネタバレありの感想です。
無人在来線爆弾!
にウケました。「在来線」の文字の迫力よ・・・・。京急の仇はとったぜ!
フォント大きくして書いてみたかった。
[A列車で行こう][無人在来線爆弾] watching【ネタバレ注意】シン・ゴジラ (0:22) https://t.co/zxg9RNBlFy #sm29389107
— KOIZUKA, Akihiko (@koizuka) 2016年8月7日
東京横浜在住の人はわかるかと思うんですが、「京急」って異常に強い電車なんですよ。嵐でも災害でも走るんですが、今回、ゴジラに無残にふっとばされていました。そのため、ゴジラが一旦引いた翌日には、「首都圏の全線は、京急を除き復旧し・・・」とアナウンスされる始末。その仇を、新幹線とともに、在来線がとったよ!
以下、箇条書きです。
- 作家性が非常に強い作品でした。庵野秀明の作品、ということが画面の隅々まで、台詞の隅々までいきわたっていて、いわゆる娯楽大作でここまで作家性の強いものを作ったスタッフ・キャストの努力に頭が下がりました。樋口監督が、「庵野のつくった、無駄のない脚本を守ることに全力をつくした」という趣旨のことをインタビューで語っていましたが、無駄な恋愛模様や無駄なアイドルや無駄なタイアップ主題歌が一切ない本作は、本当にすっきりしていて好感が持てました。こういう作品がヒットすると、日本の映画界が少しは変わりませんかね。
- 一般的な意味でのドラマ(人の内面の動き)は描かれていないのですが、私はそこは気にならなかったです。庵野さんがそれを突き詰めると底なし沼にはまってしまいますからね。今回、「災害のとき組織はどう動くか」に焦点があてられていたのですが、その切り口だからこそ、破綻せず、物語が完結したのだと思います。
- 役所や自衛隊の様子は、取材に基づいて創っているのが伝わってきて、それも好感が持てました。
- 夜、ゴジラが千代田区近辺を破壊しまくる絵は美しかったです。絶望が美しかった。音楽も良かったですね。サントラ買おうかな。
- ゴジラは使徒ですね。
- 最初、第二形態のゴジラが登場したとき、「なんだこのギョロ目は・・・・」と、やはり驚きました。その驚きを観客に味わわせるため、一般向け試写会を行わないなど、徹底的に情報統制したのも好感が持てます。
- 石原さとみは、ちょっと鼻についたけど、庵野作品にはああいう女子が必ず登場するので、バランス上は仕方がない。
- はせひろは、あんな副官房長官がいるのかは疑問だけど、そんなことはどうでもいい。カッコよかったから許す。特に表情筋の使い方が。
- いい作品て、語りたくなる作品だと思うんですよね。そういう意味では、「シン・ゴジラ」は成功していると思います。レビューもたくさんあるし、これからも語られるだろうし、ツイッターでは早くも「#内閣腐」「#巨災対の日常」「#細かすぎて伝わらないシン・ゴジラの好きなところ選手権」といったハッシュタグで盛り上がっています。
いや、楽しいね。