彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

映画「日本で一番悪いやつら」 間違えたまま突っ走る

綾野剛くんが主演した、北海道警察で実際に起きたある事件を題材にした「日本で一番悪い奴ら」を観てきました。警察モノ、大好きなんです。

とても面白かったです。そして、綾野剛くん大熱演。

 

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nichiwaru.com

 

諸星要一(綾野剛)は、大学時代に鍛えた柔道の腕前を買われて北海道警の刑事となった。諸星は強い正義感を持ち合わせているが、なかなかうだつが上がらない。そんな中、先輩刑事の村井(ピエール瀧)から、「刑事は点数、点数稼ぐには裏社会に飛び込み『S』(スパイ)を作れ」と教えられ、暴力団と密接な関係を持ちながら、上司からの難題を次々と解決していく。やがて、裏社会のスパイとともに悪事に手を染めていく。

 


映画『日本で一番悪い奴ら』予告編

 

稲葉事件という、実際の事件を下敷きにしています。原作はこちら。 

恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白 (講談社文庫)

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以下、ネタバレありの感想です。

  •  ピエール瀧、「64」ドラマ版に引き続き刑事役。ちょっと棒読みなんだけど、なんか刑事っぽい説得力があるのは顔面力ですかね?
  • 中村獅童の抑えた演技が秀逸。私はあいつは裏切ると思っていたよ!
  • そしてなんといっても、綾野剛くん。熱血体育会系の勢いで登り詰め、調子に乗り、歯車が狂って落ちて行く男を完璧に演じています。9月公開予定の「怒り」では、妻夫木君と同棲してゲイの役柄を深めてったという彼。どんどんすごい役者になっていきます。
  • 社会的な題材を扱っていますが、青春映画みたいなノリがあって、それがよかった。前半、チームを組んで上手くいってるときが明るくて楽しそうであればあるほど、後半の堕ちっぷりが響いてくる。
  • YOUNG DAISよかったなー。前半の悪気ない笑顔と、死にざま(特に脚がちょっとヘンな風に曲がってるところ)の対比が印象的でした。
  • 綾野剛くんの情婦(という言葉を使うべきでしょう)のママが覚せい剤中毒になったことがわかって、綾野君がビンタしながら彼女を抱くシーンは良かったです。脚本では最初、キスするだけだったのが、主人公が憑依した綾野君の「俺、セックスしたくなるかもしんないです・・・」という意見で変更されたとか。シルエットだけなんですけど、生々しくて哀しくて、凄かった。
  • 綾野剛君が千歳に飛ばされて、覚せい剤中毒になってからの描写がえぐい。えぐいけど、いい。
  • こういう映画がヒットすると、日本映画も面白いものが増えていくんじゃないかと思うんですけど、どうでしょう。「劇場版 MOZU」とか「進撃の巨人」とか、駄作すぎる作品に予算かけるくらいならこういう作品に使って欲しいですね。