彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

私立恵比寿中学の「お願いジーザス」を聴いたら思いのほか優しい王道アイドルソングだった

フジファブリックの加藤慎一(通称「かとをさん」)が、女性アイドルグループ「私立恵比寿中学」(通称「エビ中」)の新しいアルバム「穴空」に楽曲「お願いジーザス」を提供しました。作詞も作曲も加藤さんです。

 

お願いジーザス

 

聴いてみたら、思いのほか王道のアイドルソングであり、でも演奏はフジファブリックの音で、軽い驚きと喜びを感じました。

 

加藤さんは、フジファブリックでも物語性のある歌詞をよく手がけていますが、「しかたがないね」「キノウ」など、女性目線の歌詞はわりと変化球で、「その感情を歌いますか・・・・」というものが多いです。特に「キノウ」は、女性からしたらあまり直視したくない本音の部分が描かれていて、「加藤さんってやっぱ冷静な人だよね」と思っておりました。なので、エビ中に一体どんな歌詞を書くんだろう?と興味をもって待っていました。

 

そしたら、なんか優しいじゃないですか!

 

破裂しそうな位 言いたい事は山ほどある

思考の回路が絡み 余計な言葉が突いて出る

やっちゃったな またやっちゃった 

嫌いなわけないのに

ごめんの一言が ただ伝えたいだけなのにな

 

大人数の女性アイドルグループ。画面の向こうでは無邪気に見える彼女たちですが、仲間内では当然、喧嘩や軋轢もあるはず。そんな場面が思い浮かびました。

 

欲しい物は手に入る 思うだけなのは簡単だよ

手段を選ばずに挑む それじゃ何か失いそう

あれだけやった これだけやった 見返りをもとめちゃって

変だなおかしいな まだ素直になれないな

 

チームで仕事してるとそういうことありますね。うんうん。気持ち、わかるよ・・・。

 

「穴空」の特設サイトでは、加藤さんのコメントを見ることが出来ます。

 

 歌詞は対バンした時にステージに立っていた皆を見ていて

彼女達がどうしようもない時に少しでも寄り添えるものがあったらなと言う思いで書きました。

 

 お兄さん目線ですね。アイドルによるファンへの応援ソングというよりも、楽曲提供者によるアイドルへの応援ソングに思えてきます。

 

演奏もフジファブリックなのですが、ギターがウィンウィン言ってて、それが鍵盤と絡み合って、かなりバンドサウンドです。バンドサウンドと若い女子の歌声って合うんですね。バックバンドに徹するフジファブリックがカッコいいです。

 

フジファブリックとしてのチームで、誰かのプロデュースやったら面白いんじゃないかなあと思いました。