2016年1月10日放送の関ジャム完全燃SHOWは「ゲス乙女、まるまる1時間SP」だったので、ついつい観ちゃいました。
しゃべってる川谷絵音氏を見るのはこれが初めてだったんですが、(たたずまいは)どこにでもいそうな27歳青年だったので、以下「川谷君」と呼ばせて頂きます。
楽曲制作の話から、スタジオでレコーディングさながら!即興曲作り!!
およそ30分で曲ができちゃった!?
いつも携帯で歌詞を書くという川谷君。じゃあ、「センター街の牛丼屋に午前0時にいる女」をテーマにちょっと書いてみてよ!と言われ、携帯でピコピコ書き始めたところ、あら不思議あっという間に歌詞ができました。
次は、作曲作業です。コード進行をまず決めるそうです。川谷君がギターを掻き鳴らして、絶対音感を持つというちゃんMARIが、ホワイトボードにコードを書いていきます。そして、川谷君が、メンバーに「そこは、わーっていう感じで」「もうちょっと、はじけていいよ」「たまーに弾く感じで」などと、これでほんとにわかるの?えっわかるの?っていう感じの指示をバシバシ出して、あら不思議、今度は曲もできました。何回か通しで歌って、一丁上がり。
こんな風に即興で作った曲(「透明になれなくて」/「牛丼音頭」)が、完全にゲステイストで驚きました。川谷君の頭の中には、彼独特の世界観があって、それをアウトプットする方法論も確立されている感じ。彼が曲を量産しまくっている背景が、チラリと覗けた気がしました。
相変わらずゲスの音楽にはあまり心が魅かれないのですが(indogo la Endのほうが断然いいと思います)、川谷君のすごさは良くわかる番組でした。
このようにすごいなーって思ったんですが、ですがね、サラリと短時間で洒落た歌詞を携帯で書けちゃう川谷君と、スタジオの隅でうんうん頭かき回しながら歌詞を書いてる山総(from VOYAGERのドキュメンタリー)が、私の頭の中では対比されるわけですよ。
山内総一郎氏は、歌詞を楽しんで書けるようになったのはアルバム「LIFE」ぐらいからのようです。
「自分の中でよくわかんないけど書く、みたいなのは1曲もないです。もともと自分が思ってて、唄いたいと思ったものを曲にしたんで。自分が唄うようになって3年、そればっかり考えてました。それをちゃんとメンバーと一緒に、バンドのサウンドに乗せて作っていくことを」
---唄うことに対して、そこまで強い思いを持つようになったんだね。
「そうですね・・・・・だからこそ、自信満々に『これがフジファブリックだ』って言えるものにするために、これぐらい時間が必要だったというか。それでも、これを聴いて<フジファブリックじゃない>って思う人も居るのかなって思うこともあるけど、それはしゃーないっていうか」
(「音楽と人」2014年10月号32ページ)
これは、アルバム「LIFE」発売にあたっての雑誌インタビューの一節です。自分の思ってることをちゃんと書けるようになるのに3年かかったんだ、と語っています。もともとはギタリストであった彼が、苦労して、「言葉」によるアウトプットのための回路を獲得したことが伺えます。
志村がいなくなり、彼の後をついでフロントマンになるという試練の中で、きっと血を吐くような思いを重ねながら唄うことを手に入れてきたんだろうなと思わせる、バックグラウンドストーリー込みで、私は山内総一郎氏の(そしてフジファブリックの)ファンのようです。
だから、サラっと優れた歌詞をかけちゃう川谷君をすごいなー、才能あふれてるなー、と思うのですが、それとは全然違う距離感で、山内総一郎氏のことを思い浮かべ、「やっぱり私は山総が好きだな」と思うのです。
「小説」は、世に放たれた瞬間から、作者からは独立したものであって、作者の解釈だって絶対ではなく、それはもう読者のものなんだ、と言うようなことを、村上春樹が言っていたような気がします。
「小説」については同感です。では、楽曲もそれと同じなのか?と考えると、フジファブリックの曲に限れば、どうしても、違うと言わざるを得ません。あの山総がつくったんだ、ダイちゃんがつくったんだ、加藤さんがつくったんだ、と思いながら聴いているので、文脈的なものと切り離して鑑賞することが、もはやできないんですね。
グダグダ述べていますが、ツイッターで、フォロワーさんにあっさり見破られたのがこちら。
@ssmo02983 そうなんですよね〜。絵音氏については、曲さえ良ければ聴くかなって感じですがフジファブリックでこんなことあったら暫く立ち直れなさそう・・・・。この差はなんなんでしょうねえ。
— Manami (@ManamiSinging) 2016年1月9日
@ManamiSinging
— さち!! (@ssmo02983) 2016年1月9日
恋に落ちてるか落ちてないかの差でしょうか 笑
絵音氏には惚れてないけどYMUC氏には惚れてますね 笑
疑似恋愛出来るか出来ないか、もう単純に好みなんですよね~音楽も雰囲気も、抜け出すことは不可能な沼にはまってしまったのです
「疑似恋愛」と言われるとまだ抵抗したい気持ちがちょびっとだけ残りますが(笑)、曲とセットで私が想定している山総氏の人柄(妄想かもしれない、偏見かもしれない、でも想定しちゃんですよ心が勝手に!)と相反するような行動があった場合、ショックを受けると思うんですよねー。
つまりね。
金と女には、ある程度キレイにいて欲しいんです。
身も蓋もないですが、これに尽きます。
私の夢を壊さないで~(涙)、って感じです。
いや、私の夢のためにメンバーは生きているわけじゃないんですが、まあ、そこは。
あれ、これって疑似恋愛?かな?