2013年に公表されたアルバム「VOYAGER」に収録された「Time」は不思議な曲だ。作詞は金澤ダイスケ・加藤慎一、作曲は金澤ダイスケ。
- アーティスト: フジファブリック
- 出版社/メーカー: Sony Music Associated Records Inc.
- 発売日: 2013/10/23
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歌詞の向こうに透けて見えるのは、何かに足止めをされ、立ちすくんでいる歌い手の姿だ。
慣れた事も考えず 暮らしてきたこの街は
広そうでも狭いから 日常が流れていく
昨日君が言っていたのは だいたいそんな意味かな
目まぐるしい世の中で 僕らだけが鏡の中
歌い手は、昨日、「君」と話をした。
「君」の言っていることは、なかなか感覚的なことのようで、上手く捕まえることが難しいけれど、歌い手は、「君」と同じ気持ちを抱えているのか、二人が「目まぐるしい世の中」とは時の流れの違う、「鏡の中」に居るようだという。
何かが変わっていくのは それなりに馴染むけれど
何かを変えようと 出来るはずなのに
「変えようと 出来るはずなのに」と言うからには、一歩を踏み出せないでいるのだろう。自然と周りが変わっていくことには「それなりに馴染む」ことができるようになったとしても、自分から動き出すことは、まだできないのだ。
いつもと同じこの場所で 変わらない朝を迎えて
ぼんやり時計眺めたら 長めの針が追い越してた
歌い手は、何に想いを馳せているのか。
時が彼を追い越していく。
さよならまたねと 手を振る仕草は
合わせ鏡のようで
薄くなる影の先を眺めては
感傷には浸れず
「君」と僕は合わせ鏡
二人とも同じ心を抱え同じ仕草で 道はわかれる
遠ざかりぼんやりと溶けて行く「君」の影をみていても
あの日を懐かしんで心が弾むこともない
新しい今日に 歩き出さなくちゃ
そろそろそろ
時が来ていることはわかっているのだ
きっと そろそろ
一歩を踏み出す時が
そんな歌をうたっていたバンドが今は
捨て去って行くのは悲しいが
心はそこから解き放たれて行くのさ
(Surrender)
と歌っている。
時の流れを感じます。