20代の田舎のロックバンドが、Perfumeみたいな曲を作りたいと頑張って、あの声も地声だと勘違いして頑張って、そしたらなんか違うものができちゃった、という設定の「夏の大三角関係」。ミニアルバム「BOYS」に収録されています。作詞は山内総一郎・加藤慎一、作曲山内総一郎。
出だしは、ガットギターによるフラメンコ調のイントロ。「いろんな音楽が混ざったらおもしろいかと思って」、ジプシーキングスっぽく、指で弾いたら、余りに本格風になってしまったので、ピックで弾きなおしたというもの。
ジプシーキングス、懐かしい。一時期、鬼平犯科帳にはまっていた時、よく聴いていました。
時代劇にフラメンコギター、というセンスに痺れたんだっけなあ・・・・。
話がそれました。
フジファブリックの曲は、「カッコいい」と「ちょっとヘン」のブレンドで成り立っていますが、この曲は「ちょっとヘン」成分が少し多めですね。そのため、ヤスタカサウンドとは「なんか違う」ものになっています。
ヤスタカのバッキバキのサウンドには隙がない。隙があるとすれば、のっちのトークくらい。この曲は隙だらけですね。主人公の男も隙だらけ。
本当は二人で見てるはずだった
夜空弾ける 打ち上げ花火
悲しい声で 急なキャンセル
気にしてないと 話合わせた
出だしから、寝取られ感が全開です。
軽いその足取りの横に
ただならぬムードの
日に焼けたお兄さん
ちょっと待て誰なの
ちょっと待てないかも
先約を振っておいて、違う男と地元の花火大会に出かける。
もう見つかっても別にいい前提ですよね。
そんな扱われ方なのに(つまり歌い手のほうが二番手なのに)、この彼は、(フジファブリックメンバーの夢を背負って)立ち向かっていくらしい。
そこのけそこのけ一等賞
思わず肩に手をかける
くだらんくだらん日常が
消し飛んでしまった
夜空に輝く一等星
忘れぬ夜になりそうだ
何を気にする夏の日の
全力で向かう心
歌い手はきっと返り討ちにあうに違いないと推測しますが、そんなことも含めての少年時代の想い出、みたいな感じ???
あだち充の絵で再生されますね。
そういうくだらない女を好きになってひどい目にあって勉強になってよかったじゃない、とどうしても思えてしまう、そんな曲。