フジファブリックがメジャーデビュー直後に出したコンセプト・シングル四季盤の最後の一曲。作詞作曲志村正彦。
- アーティスト: フジファブリック
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2005/02/02
- メディア: CD
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春が「桜の季節」
夏は「陽炎」
秋は「赤黄色の金木犀」
そして冬がこの「銀河」。
歌詞の中で冬を思わせる言葉は「白い息」しかない。
でも、これはまぎれもなく冬の歌だ。
真夜中二時過ぎ二人は街を逃げ出した
「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」
「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」と
「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」
「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」と飛び出した
丘から見下ろす二人は白い息を吐いた
リズムよく掻き鳴らされるギター、不穏なボーカルの声。
状況が全くわからないが、真夜中に住宅街を駆け抜ける二人の息遣いが聞こえるようだ。
U.F.Oの軌道に乗ってあなたと逃避行
夜空の果てまで向かおう
U.F.Oの軌道に沿って流れるメロディーと
夜空の果てまで向かおう
冬の空を見上げている。
なんとなくこの二人は同性だと思う方がしっくりくる。
もしくは、実際に走っているのは歌い手一人で、「あなた」は実際には隣にいないかの、どちらか。
きらきらの空がぐらぐら動き出している!
確かな鼓動が膨らむ 動き出している!
あやしげな気配が漂っているのだ。
白い息を吐く二人の思春期の不安定な心象を映し出すように、ぐらぐらと揺れる空。
スミス監督作のMVが傑作である。一人の女子高生が、三人の女子高生に追いかけられる。どこに行っても追いかけてくる。挙句の果てに不思議な踊りを踊るのだ。相変わらず謎の多いシーンの連続だが、これ以上ないくらい、この曲の雰囲気にはマッチしている。
この世のなごり、夜もなごり。
とにかく、一度聴いたら忘れられない強烈な曲。