読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

「銀河」 まぎれもなく冬の歌

フジファブリック フジファブリック-2005 楽曲レビュー

フジファブリックがメジャーデビュー直後に出したコンセプト・シングル四季盤の最後の一曲。作詞作曲志村正彦。

 

銀河

銀河

 

 

春が「桜の季節」

夏は「陽炎」

秋は「赤黄色の金木犀」

そして冬がこの「銀河」。

 

歌詞の中で冬を思わせる言葉は「白い息」しかない。

でも、これはまぎれもなく冬の歌だ。

 

真夜中二時過ぎ二人は街を逃げ出した

 

「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」

「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」と

「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」

「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」と飛び出した

 

丘から見下ろす二人は白い息を吐いた

 

リズムよく掻き鳴らされるギター、不穏なボーカルの声。

状況が全くわからないが、真夜中に住宅街を駆け抜ける二人の息遣いが聞こえるようだ。

 

U.F.Oの軌道に乗ってあなたと逃避行

夜空の果てまで向かおう

U.F.Oの軌道に沿って流れるメロディーと

夜空の果てまで向かおう

 

冬の空を見上げている。

なんとなくこの二人は同性だと思う方がしっくりくる。

もしくは、実際に走っているのは歌い手一人で、「あなた」は実際には隣にいないかの、どちらか。

 

きらきらの空がぐらぐら動き出している!

確かな鼓動が膨らむ 動き出している!

 

あやしげな気配が漂っているのだ。

白い息を吐く二人の思春期の不安定な心象を映し出すように、ぐらぐらと揺れる空。

 

スミス監督作のMVが傑作である。一人の女子高生が、三人の女子高生に追いかけられる。どこに行っても追いかけてくる。挙句の果てに不思議な踊りを踊るのだ。相変わらず謎の多いシーンの連続だが、これ以上ないくらい、この曲の雰囲気にはマッチしている。

 

この世のなごり、夜もなごり。

 

とにかく、一度聴いたら忘れられない強烈な曲。