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彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

アルバム「LIFE」 そして僕らは何度でも生まれかわる

フジファブリック フジファブリック-2014 楽曲レビュー

フロントマンであった志村の急逝の後、「MUSIC」を経てからフジファブリック3枚目のアルバム「LIFE」は、「リバース」という不思議な曲で幕を開ける。

 

リバース

リバース

 

 

アルバム「LIFE」はアナログテープで録音されているが、「リバース」は、アルバムの最後に収録されている「卒業」を逆再生(リバース)させたものである。もともと「卒業」にテープの逆回転の音を重ねたくて、逆再生してみたところ、「何かすごく感情を揺さぶられるものが、そこにはあって」(excite. musicインタビュー)、アルバムの冒頭に相応しいとされた。

 

目を閉じて巻き戻されていく音を聴いていると、記憶が巻き戻されていくような錯覚に陥る。どこまで戻っていくのだろうか。実際に時を巻き直すことはできない。取り返しのつかないことは取り返しのつかないままだ。

 

しかし人は、象徴的な意味での「死」と「再生」を経験する可能性はいくらでもある。

 

このアルバムを作り、そして武道館ライブを成功させることで、メインのソングライティングを担った山内総一郎も、象徴的な意味での「死」と「再生」を経験したのではないか。それくらい深い部分まで降りて、自分と向き合ったのではないか。そんな風に思わせるアルバムである。

 

アルバム収録曲について感想を述べた過去のエントリーを並べてみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透明できれいだけれど、どこか孤独でさみしい

だけど救いも希望もある

 

伝わってくるのは、山内総一郎のだいたいそんな世界観である。そこに金澤ダイスケと加藤慎一が色合いを加えている。

自分の中にそういう風景が横たわっていること、それを歌にして描き出したことで、山内総一郎は変わり、新しい世界に一歩足を踏み出した。変容は伝播し、バンド自体もまた変わっていく。

 

そういう意味で、前後の文脈も含めて、「LIFE」は深い感銘を私に与えてくれた。納められた一曲一曲もすべてが大好きなアルバムだし、これからも何度でも、繰り返し聴くと思う。