彼方の音楽

毎日の中でこころ動かされたことを、つらつらと綴っていきます。

市川春子「宝石の国」4巻 死の気配がする世界で砕け逝く宝石たち

市川春子の物語を、説明なんかできるはずがないので、本の裏表紙から抜粋しよう。

 

僕は「本当のこと」が知りたい

 

遠い未来、不死のカラダを持つ宝石たちと、

月人との戦いが続いていた。

冬の間に両腕を失い、合金の新たな腕を手に入れた

主人公・フォスフォフィライトは、シンシャの記憶をなくしてしまったようだが・・・・・。

強くてもろくて美しい、戦う宝石たちの物語。 

 

「宝石の国」4巻が発売されていたので、早速買いました。

 

宝石の国(4) (アフタヌーンKC)

宝石の国(4) (アフタヌーンKC)

 

 

何の話なのか、さっぱりわからないですよね。じゃあ、1巻が発売されたときのアニメーションPV観てみます?

 


市川春子最新作、『宝石の国』1巻発売記念フルアニメーションPV - YouTube

 

アニメを観てもよくわからないですか。

そうですよね、うん。

 

何やら複雑な設定のある、いわゆるSFなんです。だから、わからなくても、読み進めていけばよいのです。

 

不死というのは残酷なもの。戦っては砕け、修復され、また戦って砕ける。

性別のない宝石たちは、少年のような少女のような、中世的な体で、自分たちを襲い来る月人(見た目は阿弥陀如来っぽい)と戦っています。でも、なぜ戦うのか、なぜ襲われるのかは、まだ明らかになっていません。

 

市川春子のことだから、きっと、ほの昏く哀しげな設定が待っているに違いないのです。

 

だけど、そこまでのストーリーが明るくて、可愛いから、思わず忘れてしまうのです。そこに死の気配が漂っていることを。